コンパクトモール工法は、路上・立坑内・宅地内からのあらゆる角度で、流入管を非開削により本管に直接接続する取付管設置工法です。
工法の全作業において機械設備の軽量化・使用資材の省資源化を図り、コンパクトで環境負荷の極めて少ない施工を実現しました。
多様な取付管径に対応し、幅広い取付対象に適用が可能です。大きな震災を経験した現在、比較的深い場所での施工が増大してきたこともあり、取付管といえども高い耐震性が強く求められておりますが、当工法では呼径150mm取付管において、レベル2地震動に対応する耐震支管を開発し標準仕様としております。
従来、困難とされていた小口径管の取付部からの浸入水防止も独自の接続方法を開発することにより解消しました。さらに、薬液注入機構を推進機械に一体標準装備していることから、滞水地盤においても発進部からの地盤改良が容易に施工できます。また、これまで玉石、礫地盤での施工においても多くの施工事例を完工してきました。軟弱地盤、普通土地盤、滞水地盤のみならず玉石、礫地盤にも幅広い適用が可能です。
また、工事に際しては、鋼製鞘管推進から取付管設置完了まで、作業員が本管内に入る事が全くない安全な施工方法です。
ジェット水による水力切削で掘削しながら鞘管内部の土砂をバキュームポンプにより地上に排出し、同時に推進ジャッキにより鋼製鞘管に推進力を負荷し、掘削と圧入を繰り返して取付対象物まで推進します。土質状況によっては鋼製鞘管内部に設置した回転する掘削ビットを使用することにより固い地盤であっても鋼管圧入が可能です。
鋼製鞘管が取付対象物に到達した後、ダイヤモンドコアドリルを削進機に取付けて、取付対象物の穿孔を行います。穿孔されたコアは、落下させずに地上に回収します。
取付対象物をコア穿孔した後に、取付管を鋼製鞘管内部に挿入します。
取付管内に地上より専用プラグを挿入し本支管の接合部に設置します。穿孔部分の取付対象物と支管の間に残る空隙と支管上部の周囲に無収縮グラウト材を充填し、浸入水の防止を図ります。
引き続いて、鋼製鞘管と取付管との間にセメントミルクを充填します。
必要に応じて、鋼製鞘管を引き抜き撤去します。但し、鞘管設置が水平から50°までの角度で施工される場合は鋼製鞘管は地中に残置します。
無収縮グラウト材とセメントミルクの十分な硬化時間の経過を待って、専用プラグを回収します。
機械設備を撤去し、コンパクトモール工法による取付管推進工は、全て完了となります。
測量位置出工
↓
(作業坑築造)
↓
機械搬入・仮設工
↓
(路線部地盤改良工)
↓
鋼製鞘管推進工
↓
到達部地盤改良工
↓
コア穿孔工
↓
塩化ビニル管挿入工
↓
浸入水防止工
↓
中詰注入工
↓
(鋼製鞘管撤去工)
↓
機械撤去工・搬出